GOINGKOBE'06 日本最大級のチャリティミュージックフェス

イベントレポート

05年、夏。多くの人に感動を与えた関西最大の無料フェスが今年も帰ってきた。今回は神戸まつりの一環として開催されたGOINGKOBE。
メリケンパークというまさに神戸らしいおしゃれスポットに音楽フェスを持ってきたというのも斬新である。
今年は嬉しいことに去年より大規模になりブッキングアーティストはもちろん、ステージも9つになり、オフィシャルグッズも増えた。
会場内のブースでは数カ国もの世界料理に、占い、ワイン、ビール、楽器、と様々な店舗が並び、中でもピノの無料配布は大好評。そして震災時の写真が並べられたブースでは多くの人が悲し気な面持ちで写真を見つめ、このフェスが掲げる復興の喜びを全国に伝えるという目的を再確認した。

あいにくの雨模様の中、オフィシャルグッズを求める列がだんだんと長くなり始めオープニングアクトのミゾオチが始まった。
 神戸港を目の前にしたサブマリンステージでは熱狂的なファンを集めたザ・キャプテンズやWALK ABOUT、セックスマシーンなどの人気バンドが会場を湧かした。飛び跳ね踊りはしゃぐ姿や座ってゆっくりと楽しむ姿など、それぞれが思い思いのスタイルでGOING KOBEを楽しみ、フェス開始から最後まで過熱しっぱなしだった。
 ストーリートブースでは神戸を活動拠点にするジャンルを越えた約40組ものバンドが参加。伸びやかなポップソングを奏でるバンドもいれば、神戸の港を揺らすほどのハードコアバンドなど質の高いバンドばかり。ステージと観客がかなり近いため普段のライブハウスとは違い、開放感かつ爽快感に観客は酔いしれていた。
 また今年新たに登場したパフォーマンスブースの劇団鹿殺し。歌えて踊れてさらにおもしろくて、何でもできてしまう強烈な劇団は長時間のフェスに笑いの一時を与えてくれた。
 エアポートステージでは去年より何倍も熱いパフォーマンスのGORILLA ATTACK、東京からやってきたBOO BEE BENZ、JELLY→など超人気の顔ぶれ。ラストにはphantasmagoriaがロックフェスという場にビジュアル系として自分達の音楽を堂々と披露。 バックに映る神戸のネオンがやけにマッチしていて鮮やかな美の世界に会場が包まれた。
 気になるメインステージは初参加のB-DASH、ロードオブメジャーに加え、ワタナベフラワー、Natural Punch Drunker、倭製ジェロニモ&ラブゲリラエクスペリエンスなど2年連続のバンドなど豪華キャストで賑わった。またYum!Yum!ORANGEではあの人気急上昇中のパッション屋良がゲスト出演。謙虚キャラと「んー!!」のネタで会場を沸かせた。そしてこのイベントのラストを飾るのはもうおなじみとなったガガガSP。のっけから
オーディエンスの熱い蒸気が会場全体に立ち込める。「神戸でバンドを組み、神戸でバカにされ、神戸で売れた」まさに神戸ッ子バンドは、この誇り高い地にありったけの力と思いを込め人間臭さと愛を歌い上げた。オーディエンスが一斉に空に突き上げる無数の握り拳、その光景は感動もの。コザック前田の言葉一つ一つに多くの人が涙を流し、笑い、そして「世界は二人のために」を「松原のために、世界はあるの」と松原氏へ感謝を歌った。このざんざんと降り注ぐ雨さえ心地よく感じるほど体が熱かった。
 神戸市民、いや日本国民がこのフェスを求め続ける限りGOINGKOBEは神戸に生き続ける、そしてGOING KOBEがある限り、多くの人の記憶から震災が薄れ消えてゆくこともないはずだ。あなたはこれほどまでに感動のフェスを体験したことがあるだろうか?
来年も開催予定なので何が何でも神戸の地に足を運び、蘇生する感動を分かち合い、そして音楽の楽しさを全身で浴びてほしい。
(野村 瞳)


今年で2回目の開催となったGOING KOBE‘06。
2年連続という雨模様でしたが昨年引き続きイベントのクライマックスでは雨が引いていき空が晴れていきました。まるで震災や災害の被災者の心を映したかのよう様に徐々に晴れて行く空を見ながら感動的な気持ちで一杯になりました。
当イベントは傷つき一生懸命復興した元気な神戸の姿を全国のみなさまに見て頂ける様に、そして神戸が受けた恩を募金を募り被災地へ寄付し恩返しするという大きな2つのコンセプトがあります。
その為に趣旨に賛同して頂けるアーティストや企業さまなどの御協力で無料イベントをして実現出来ています。何日も寝ずにスタッフ一同と頑張って作り上げていくGOING KOBEは被災時の大変だった事を思い出したり、みなさんの励ましのお声を聞く度に活力を頂き頑張れたのだと思っております。本当に嬉しく思っています。
僕は震災にあった時はまだ学生で受験中で復興作業など全然手伝えませんでした。
両親や近所のみなさんなど色々走り回っていました。

昨年のGOING KOBEの舞台を設営して頂いた建設屋さんは震災時に横倒れになった阪神高速や新幹線の復旧に不眠不休で頑張ったそうです。
何気に乗っている阪神高速や新幹線の復旧がそんなに大変だとは思いませんでした。
60時間ぶっ通しで作業した事もあったそうです。何回も死にそうになったらしいです。

これを聞いて思いました。
復興に頑張ってくれた先輩達の為に僕たちはこの震災を忘れず次の世代に伝えなければなりません。

震災から11年… この時間に当たり前になった町並みなどを見たり、綺麗になった道路などそんな所に感心した事はありませんでしたが改めて思い出してビル一個にも感動を覚えます。

そんな復興が当たり前になり忘れかけてた震災だったかもしれません。

このイベントを通して震災の恐ろしさや人の助け合いなどをみなさんに強く感じて頂ければ幸いです。
どうかこのイベントが毎年続いていけますように、みなさまの御協力お願い致します。
さぁ!また来年も見せてやる!被災地のロック魂を!

(GOING KOBE実行委員長/松原 裕)